ピーンポーーン

2004年7月22日
はい、どちら様ですか?

     あの、プレゼントを持ってきました。

なんでプレゼントを持ってきたんですか?

     喜んでくれるかと思って。

なんで私が喜ぶと思うんですか?

     直感です。ただあげたいんです。

結局もらったら何か代わりにくれって言うんでしょう?

     それは未来のことなんでわからないんですが、もしかしたらそんなことを言い出すかもしれません。今の僕はただこのプレゼントをあげたら貴方がどんな顔をするか見たいんです。だからドアを開けてください。

私は貴方がどんなプレゼントを持ってきたのかも知りたくはないし、
貴方の勝手な好奇心を満たすためにドアを開けることはないわ。

     でももしかしたら貴方はこのプレゼントを喜んでくれるかもしれませんよ。

貴方は誰だかわからないし、それが本当にプレゼントかどうかも分からないわ!貴方に私の何が分かるの?何故喜ぶかもしれないと思えるの?
ほんの一瞬ドアを開けてしまったばかりに私の今までのペースが崩れちゃうかもしれないじゃない。私は忙しい人でこれからやらなければならないことが山積みなの、こうして貴方と会話していること自体ももったいないわ。そして私が仮にそのプレゼントを受け取って喜んだら私はお返しに貴方を喜ばせなければいけないという責任も感じてしまうに違いないわ。そして貴方もきっと私から何かを求めるわ。そんな上っ面の求め合いなんて時間の無駄よ。
どうして貴方のために時間をさかなければならないの?

     分かりました。
     では誰か別の人にこのプレゼントは差し上げます。
     さようなら。

超短編小説でした。

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